「Asoby」ってなに?
スマホの画面ではなく、「遊び」を通して世界と出会ってほしい。 その願いから生まれたのが、このサイト Asoby です。
きっかけは、静かにスマホを見つめる子どもの姿
Asoby の出発点は、街中で見かけた一つの光景でした。 ベビーカーに乗った小さな子どもが、言葉を発することもなく、 じっとスマートフォンの画面だけを見つめている――その姿に、 「本当はもっと、手や体を動かして、周りの世界と関わる遊びの時間が 必要なのではないか」という違和感を覚えました。
保育士として働く家族からも、 「YouTube ばかり見ていることで言葉の発達が心配な子がいる」 「親子で一緒に遊びたい気持ちはあるのに、具体的なアイデアがなくて 結局動画に頼ってしまう家庭も多い」といった声を聞きました。 教育現場には豊かな遊びの知恵がたくさんあるのに、 それが家庭に十分届いていない――そのギャップを強く意識するようになりました。

「スマホの時間」だけでなく、「遊びの時間」をどう取り戻すか。 その問いに向き合う中で、遊びのアイデアをただ“探す”のではなく、 信頼できる人たちと“分かち合える場”が必要だと考えるようになりました。
バラバラな情報と、「孤立しがちな子育て」
インターネットには子育て情報があふれていますが、 その多くは断片的であったり、専門的すぎたりします。 忙しい保護者が、わが子の年齢や発達に合った遊びを選び、 安全面にも配慮しながら実践するのは簡単ではありません。
一方で、地域のつながりは昔ほど強くなく、 「近所や家族にすぐ相談できる相手がいない」 「園でどんな遊びをしているのか、詳しく知る機会が少ない」 と感じる保護者も少なくありません。 情報は多いのに、本当に頼れる人・場所には出会いにくい。 そんな「情報はあるのに、つながれない」状況こそが、 今の子育ての大きな課題だと考えました。
教育現場の知恵を、「遊びのレシピ」として家庭へ
卒業研究として、保育学生や現職の保育士の方々にアンケートを行ったところ、 多くの教育者が「遊びは子どもの成長にとってとても重要」と考え、 日々さまざまな工夫をしながら保育を行っていることが分かりました。 しかし、その具体的なアイデアや実践の工夫は、 まだ十分に家庭へ届いてはいませんでした。
そこで Asoby は、教育者の持つ専門的な知見を 家庭でもそのまま真似しやすい「遊びのレシピ」という形に整理して、 蓄積・検索できる場として設計されています。 材料・手順・子どもの反応・対象年齢などを共通のフォーマットで登録することで、 保護者は「今のこの子に」「今あるもので」できる遊びを見つけやすくなります。

現時点では、保育士や保育学生などの教育者が中心となって レシピを投稿できる仕組みとし、情報の信頼性を大切にしています。 将来的には、保護者の「やってみた!」という実践報告や、 遊びのアレンジ例も交えながら、双方向に学び合える場へ 育てていきたいと考えています。
Asobyに込めた願い
Asoby は、単なる「遊びネタ集」ではありません。 画面の向こう側だけで完結する時間を少し減らし、 親子が顔を見合わせて笑ったり、うまくいかないことも含めて 一緒に試行錯誤したりする時間を増やしたい―― その願いをかたちにしたプラットフォームです。
教育現場の知恵と、家庭での日常がゆるやかにつながることで、 「一人で頑張る子育て」から、 「みんなで支え合い、学び合う子育て」へ。 Asoby が、その橋渡しの一端を担うことができれば幸いです。
このサイトで出会った一つひとつの遊びが、 子どもたちにとっては新しい世界への入口となり、 保護者や教育者にとっては、明日への小さな安心や、 「また一緒に遊んでみよう」と思えるきっかけになりますように。
